空は青く、葉っぱは緑色。サンタクロースの帽子は赤と白で、純金はその名の通り金色です。
どんな物体にも、それぞれ「色」がありますよね。わたしたちは、明るい赤を見て「鮮やか」だと表現したり、暗い青を見て「渋い」と言ったり、空の青色と明るい緑色の木々を見て「爽やかだ」と言ったり。色によって受ける印象は本当に異なります。桜の木は、あのピンクの桜色の印象が美しいものです。
しかしこの「色」ってなんなのでしょう?
そもそも、人が色を識別するためには、目で「見る」ことが必要ですよね。触っただけでは、色はわかりません。そのため、色とは何か、を明らかにするためには、見ることのメカニズムをまず理解することが必要です。
「見る」というのは、目に入ってくる光が、目の中の網膜を刺激し、それが電気信号となって、脳が認識することです。太陽光がりんごに反射して目の中に入ってくることにより、光が網膜を刺激し、それにより生ずる電気信号によって、脳が赤いりんごだと認識するのです。
そして、この「太陽光がりんごに反射」する、というところに、色の秘密があります。
りんごには「赤色がついている」わけではありません。葉っぱには「緑色がついている」わけでもありません。どんな物体にも、「色がついている」わけではないのです。電気を消した真っ暗の部屋の中では、私たちは何も見えませんよね。だから、それらの物体自身が色を放っているわけでないことは、よくわかります。
先ほど述べたとおり、われわれにモノが見えるのは、光がそのモノに反射して、われわれの目の中に入ってきているからです。外に出かけているときは、われわれの目に入る光といえば太陽の光でしょう。
太陽の光をプリズムに通すと、各色の光の屈折率の違いに起因して、各色の光を分けることができます。このことを発見したのは、ニュートンですね。このことから、太陽の光は、さまざまな色の光が重なり合って、その結果白色の光になっていることがわかります。
そして、光がモノに当たるとき、そのモノは、色を吸収するんです。例えば、このさまざまな色の光が重なり合った太陽光が、葉っぱに当たると、葉っぱは、緑色以外の色を吸収してしまうんです。そして、残った緑色の光だけが反射され、われわれの目に入る。そうすると、われわれには、葉っぱが緑色に見えるんですね。
ところで、ここまで「緑色の光」といった表現をしたのですが、光には色がついているのでしょうか?
そうではないんです。光は、電磁波の一種であり、波の性質の有しています。別の言い方をすると、電磁波は、その波長の長さによってさまざまな性質を有しており、人間は、その電磁波のうち、とくに「見える」ものを、「光」と呼んでいるだけなんです。例えば、光より長い波長の電磁波は、携帯電話の電話として利用されており、光より短い波長の電磁波はレントゲン写真で用いるX線として用いられています。光も、X線も、携帯の電波も、すべて波長が違うだけの、電磁波です。
つまり、電磁波の性質が「波長」によって異なるように、「色」も光の「波長」によって異なるのです。正確には、光の性質として異なるのは「波長」であり、光自体に色がついているわけではありませんが、光がわれわれの目に入ると、目の網膜を通じて形成される電気信号も波長ごとに異なり、それにより脳が違う色だと認識するのです。そして、先ほど葉っぱが緑色の光以外を吸収すると言ったのですが、これは、緑色に対応する波長の光以外の光を吸収する、ということになります。
「色」というのは、光の波長と目の網膜のコラボレーションで生み出されるものなんですね!
(参考文献)
- https://www.konicaminolta.jp/instruments/knowledge/color/section1/02.html
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