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太陽系最大の惑星
太陽系の中で大きさ・質量ともに最大の惑星である木星。体積は地球の1300倍超、質量は地球の318倍、重力は地球の2.5倍超です。
自分と木星の関係について考えることって、なかなかないですよね。しかし木星がなければ、今の我々は存在しないのです。
木星は、その巨大さゆえに、太陽系において重要な役割を果たしてきました。地球にも、そして人類にも、極めて大きな影響を与えてきました。
木星は、太陽系の惑星のうちで規格外の質量を有しています。このことは、木星の衛星の1つである「イオ」を見るとわかります。「イオ」は多数存在する木星の衛星の中で、ガリレオが自作の望遠鏡で発見した衛星ですね。
木星の重力とイオの火山
「イオ」は、太陽系において火山活動がもっとも活発な星ですが、火山活動を活発にさせているのが、木星の規格外の質量と、他の木星の衛星なのです。
すなわち、「イオ」は木星の巨大な重力の影響を受けます。イオに作用する重力は、その場所によって異なるため、その影響で、「イオ」がいわば伸びたり縮んだりします。そのイオの伸縮により生じるエネルギーにより、火山活動が活性化されるのです。
この「イオ」の火山活動からもわかるとおり、木星の質量はイオを火山の星にしてしまうほど巨大です。他の天体にも、大きな影響を及ぼします。
人類誕生のきっかけを作った木星
太陽系の誕生は、約46億年前だと考えられています。木星は、太陽系の中でも最初に登場しており、誕生間もない45億年前には、木星は太陽の側に近づいてきていたと考えられているそうです。
木星は、火星の近くまではきており、そうだとすると、その大きな重力の作用により、火星付近の岩石などを吹っ飛ばしたでしょう。現在の火星は、地球よりもずいぶん小さいですが、45億年前に木星が火星とくっつくための素材を吹っ飛ばしてしまったから、という理解もあるようです。
また、45億年前の地球には、現在の地球ほど豊かな水資源は存在しなかったとされています。木星が、移動して岩石などを吹き飛ばす過程で、氷などの資源を有する岩石も吹き飛ばして、それらが地球と合体した結果、地球は現在のような豊かな資源に恵まれるようになったと考えられます。したがって、木星の大移動がなければ、地球には人類が存在しなかったかもしれません。
一方、あの恐竜が絶滅した原因も木星が作ったといえます。すなわち、恐竜の絶滅の原因は、小惑星が地球に衝突し、それにより広がった灰などによって太陽光が地表に届かなくなり、急激に地球が寒くなったからだ、と理解されております。ただ、よく考えてみると、その「小惑星」とはなんでしょうか。これが木星の仕業だと考えられるんです。
木星はその巨大な重力によって、小惑星帯に影響を持ち続けています。その重力の作用により、周回している小惑星のうちに、軌道を変えるものが登場する場合があります。その1つの実例が、恐竜絶滅の原因となったあの「隕石」なのです。そうすると、木星の重力がなければ隕石の衝突はなく、そうすると恐竜絶滅もなく、人類が栄えることがなかった・・・という可能性もあります。この点でも、人類は木星の恩恵を受けているといえるかもしれません。
(参考文献等)
NHK「コズミック フロント☆NEXT 「ザ・プラネッツ 私たちの命運を握る 木星」」
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